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シンガポールで医師を目指す!必要な英語力について解説

シンガポールで医師として働いてみたいと思ったことはありませんか?

実はいくつかの条件を満たせば、日本人の医師でもシンガポールで働くことが可能です。

その中でも、多くの方にとって大きなハードルとなるのが「英語力」です。

この記事では、シンガポールで医師として働くために求められる英語力について、詳しくご紹介します。

必要な英語力と学習方法

早速ですが、シンガポール医療評議会(Singapore Medical Council, SMC)によると、選択肢が以下の3つあります。

  1. OET 各技能B以上(=350点以上)
  2. IELTS 各技能 7.0以上
  3. TOEFL iBT100(各技能25以上)

参照:Evidence of English proficiency

3つも選択肢があると、どのテストにすれば良いか迷いますね…。

自分が最もやる気が出るテストを選ぶのも一つの手ではあるものの、実際は明確に難易度の差があります。

英語以外のシンガポールでの医師登録の条件に関しては、こちらの記事を参照にしてください。それでは、詳しく見ていきましょう:

テストについて

まずはテストの概要について理解をしましょう:

OETIELTSTOEFL iBT
試験形態紙とPCの選択制紙とPCの選択制PC
受験料AUD58725,380 – 28,500円USD195
スコア0 – 500点0 – 9点0 – 120点
日本人の平均N/A5.8/9点72/120点
試験時間約3時間約3時間約2時間
構成と時間Listening (40分)
Reading (60分)
Writing (45分)
Speaking (20分)
Writing (60分)
Reading (60分)
Listening (40分)
Speaking (11-14分)
Reading (35分)
Listening (36分)
Speaking (17分)
Writing (29分)

OETはオーストラリア、IELTSはイギリス、TOEFLはアメリカ発の英語テストです。そのため、それぞれオーストラリア英語、イギリス英語、アメリカ英語が中心となっています。

通貨も異なるため料金が少しわかりづらいですが、2025年5月の為替レートでは、OETが約54,500円、IELTSが約25,380~28,500円、TOEFLが約28,000円です。

いずれの試験も、首都圏ではほぼ毎週(IELTSは毎日!)実施されています。試験結果は、OETは10日以内、IELTSは1~3日、TOEFLは4~8日で確認できます。

OETは、医療従事者が海外で実際に働ける英語力を測ることを目的としたテストで、出題内容も医療に関するものに限られています。

TOEFLは北米への進学者向けで、出題トピックは理系寄りの傾向があります。一方、IELTSは幅広い層を対象としており、出題分野も多岐にわたります。

英語のレベルについて

シンガポールで医師として働くために求められる英語力のレベルを確認しておきましょう。

日本人の医師にとっては、英検との比較が一番イメージしやすいかもしれません。

一言で言うと、英検一級よりももう一段上のレベルです。もし英検に「初段」があれば、それに相当すると考えてください。

英検一級にギリギリ合格した方が、OET・IELTS・TOEFLを受けると、だいたいOET300点、IELTS6.5、TOEFL80点前後になるケースが多いです。

一方、シンガポールで求められる水準は、OET350点、IELTS7.0、TOEFL100点です。おおよそのレベル感が伝わるでしょうか。

少しハードルが高く感じるかもしれませんが、しっかりと時間をかけて対策すれば、十分に到達できます。

少し厳しく聞こえるかもしれませんが、このくらいの英語力がないと、現地で英語を使って働くのは難しいというのが現実です。

どのテストが良いか

次に、どの英語テストを受けるべきかについてです。

どのテストを選んでも、英語力を高めることにはつながります。そういった意味では、テストの種類そのものが決定的な要素になるわけではありません。ただし、あえておすすめの順を挙げるとすれば、OET > IELTS > TOEFLの順になります

まずOETは、実際に現地で臨床にあたる際に、内容が直接役立つという大きな利点があります。また、ほとんどの方が他のテストよりも早く目標スコアに到達できる傾向があります。

OETは医療に特化した英語試験ですので、実践的で学習のモチベーションも保ちやすいです。現地で働く準備として、そのまま活かせる学びが得られます。

IELTSは、全体のスコア(オーバーオール)で7.0を取ることはそれほど難しくありませんが、スピーキングとライティングでそれぞれ7.0を取るのは非常に難易度が高く、多くの方が6.5から7.0へ上げるのに長い時間を要します。

TOEFLについても、100点の取得は不可能ではありませんが、各セクションで25点以上が求められるため、特定の得意分野だけでカバーすることが難しく、全体的に高い英語力が求められます。

学習方法

次に、英語の学習方法についてです。

目標に向かって効率よく進むためには、「英検準一級 → IELTS オーバーオール6.5 → OET」という順番で学習を進めるのがおすすめです。多くの方にとって、これが最短ルートになります。

まず前提として、OETの対策を始めるには高校レベルの英語力が必要です。高校までの英語に抜けがある方は、まず基礎をしっかり復習するところから始めましょう。

ここで登場するのが英検です。ただし、実際に受験する必要はありません。英検準一級の初見の問題で8〜9割程度正解できるようになれば、それで十分です。

基礎力が身についたら、次はIELTSの学習に進みます。「え、OETじゃないの?」と思われるかもしれませんが、ここには理由があります。

その一つがOETの教材の少なさです。早い段階でOET対策に絞ってしまうと、途中で取り組める教材がなくなってしまうことがあります。その点、IELTSはレベル別に教材が充実しており、段階的に学習を進めやすいのが特徴です。

IELTSの学習は、公式問題集を中心に進めましょう。最初は日本語の解説がついた問題集から始めると理解しやすいです。慣れない設問を難しい英語で説明されても、かえって混乱してしまうからです。

スピーキングやライティングについては、「どれだけアウトプットできるか」を重視して練習します。細かなミスを気にしすぎず、瞬時に話す力・書く力を養うことが大切です。

IELTS6.5を目指すための詳しい学習方法は、こちらの記事にまとめています。

綺麗な発音の習得

関連して、海外で働こうと考えている人は、綺麗な発音の習得にチャレンジしてみてください。

あらゆる英語のテストには「アクセントがあっても減点はしない」と記載がされています。

これを取り違えて、自分がいいと思うように話してしまう人がいます。結果として意味が伝わらずに、面接に落ちたり、現地で何度も聞き返されるような事態に陥ります。

皆それぞれ違うアクセントを持っており、それ自体は素晴らしいことです。しかし、相手にとってどう聞こえるかは、同時に非常に重要です。

特に、医療従事者は人の命が関係をしたお仕事です。一発で聞き取れる発音の習得は、テスト対策と同じぐらい重要であると心得てください。

母音や子音などの音素の矯正から、一文全体の強勢やイントネーションの改善までができることが理想です。

最後に

以上、シンガポールで医師として働くために必要な英語力と、その学習方法についてご紹介しました。

日本語と英語は、言語としての構造が大きく異なるため、一般的に思われている以上に習得には時間がかかります。

また、シンガポールで働くには、雇用主の方針によっては「40歳までに入国すること」が条件となる場合もあります。少しでも関心のある方は、ぜひ早めに英語学習をスタートしてください。

私たちは、日本で唯一、SMC直属のエージェントと提携している教育機関です。

シンガポールでの医療職としての就労にご興味がある方は、お気軽にご相談ください。

最後までお読みいただき、ありがとうございました。

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