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SMC非認定校出身の医師向け | Conditional Registrationの仕組み

通常、日本人医師は、SMC(シンガポール医療審議会)が指定する出身大学を卒業していない限り、シンガポールで医師として働くことができません。

2025年現在、この「指定大学」に該当するのは、東京大学、京都大学、大阪大学の医学部の3校のみです。

ただし、これらの大学を卒業していない場合でも、「Conditional Registration(条件付き登録)」の要件を満たすことで、就労が可能になる場合があります

Conditional Registrationについて

以下のリンクは、SMCの公式ウェブサイト内にある「Conditional Registration(条件付き登録)」に関するページです。

https://isomer-user-content.by.gov.sg/77/300517d2-1de2-4bc1-973c-e415cf9770fc/list-of-medical-qualifications-eligible-for-consideration-for-c-reg-(23-july-2024).pdf

クリックしてリンクを開いていただくと、以下のようなページが表示されます。

左側が専門分野、中央が必要な資格の正式名称、右側がその省略名を示しています。

どの専門分野を見ても、アメリカ、イギリス、カナダ、またはオセアニアのいずれかで専門医登録されていることが要件となっているのが分かります。

つまり、「これらの国で専門医登録に相当する資格を取得すること」が、シンガポールでのConditional Registration(条件付き登録)の前提となります。

まずは、自分の専門分野がどの国で登録すれば互換性が認められるのかを確認してみてください。

たとえば、表の一番上にある「麻酔科」の場合、対象国はアメリカ、イギリス、アイルランド、オセアニアの4か国です。

このうち、イギリスで登録を目指す場合には、Fellowship of the Royal College of Anaesthetists(FRCA)の取得が必要になります。

試験合格だけで登録可能な専門分野

実は、これらの国で正式に専門医として登録するには、ほとんどの場合、現地での研修が必要になります

一般的には、数年間の研修を経て、レビューや指定試験に合格することで登録が認められます。そのため、日本から渡航してすぐに登録を目指すのは、やや現実的ではない選択肢とも言えます。

しかし、例外も存在します。試験に合格するだけで登録できる専門分野が一部あるのです

  • 内科(Internal Medicine):MRCP
  • 放射線診断科(Diagnostic Radiology):FRCR
  • 産婦人科(Obstetrics & Gynaecology):MRCOG
  • 病理科(Pathology):FRCPath
  • 小児科(Paediatric Medicine):MRCPCH
  • 放射線治療科(Radiation Oncology):FRCR

つまり、日本で上記いずれかの専門医資格をすでに取得している方であれば、対応する試験に合格することで、シンガポールでの就労資格を得ることが可能です。

最後に

指定の医学部を卒業していないけれど、それでもどうしてもシンガポールで働きたい――。

その場合は、「指定国で専門医登録を先に取得する」ことを目指すのが現実的な選択肢になります。

中でも、MRCPを中心とした“試験のみで登録可能な専門”です。これらは現地での研修が不要なため、海外での実務経験がない医師にとっても比較的取り組みやすいルートです。

実際、ミャンマーなど他国の医師の中には、この制度を活用してシンガポールで働いている方も多くいます。

一方で、「研修を受けてもよい」という方には、オーストラリアでの専門医登録が比較的ハードルが低く、おすすめです。

シンガポールでの就労を急いでいない場合は、「オーストラリアで専門医資格を取得 → その後シンガポールでConditional Registrationを申請」という流れも、有力な選択肢のひとつになるでしょう。

最後まで記事を読んでいただきありがとうございました。何かご質問などあればお気軽にご連絡ください。

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