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イギリスで医師登録に必要な英語資格 | IELTS or OET?

イギリスで医師として働くためには、General Medical Council(GMC)に登録することが必要です。GMCは、イギリスにおける医師の登録を管理する公営機関です。

GMCに登録をするためには、提示されている英語資格の要件を満たす必要があります。今回の記事では、その英語要件について詳しく紹介します。

GMC登録に必要な英語資格

GMC登録のためには、以下のいずれかの試験で英語力の証明が求められます。

  • IELTS:OA7.5以上(すべてのセクションが7.0以上)
  • OET:すべてのセクションがB(350点)以上

IELTS or OETの英語要件を満たし、PLAB or MRCPの試験に合格をすることで、GMC登録を目指す流れになります。PLABとMRCPについては、こちらの記事を参照にしてください。

上記の英語要件は、専門医の取得有無にかかわらず、すでに医師として働いている方が対象になります。一方で、初期研修からイギリスでの医療に関わりたい人は、下記のいずれかの要件が求められます。

  • IELTS:全セクションが7.5以上
  • OET:全セクションが400点以上

初期研修からの渡英の方が、英語の要件が厳しいことが確認できます。さほど違いがないように見えますが、実際はとてつもなく大きな差です。

参考1: GMC Evidence of your knowledge of English
参考2: 2 Year Foundation Programmes

IELTS

IELTSは世界で最も受験者の多い英語試験の一つです。毎年、世界中で数百万人単位で受験をされています。日本でも各地で受験が可能です。試験頻度も多く、東京ではほとんど毎日、試験が実施されています。

評価は各セクションごとに、0.5刻みで0から9.0のバンドスコアで示されます。スコア幅が小さいため、スコア0.5が大きな意味を持ちます。平均的には、スコアを1.0あげるのに、およそ1年程度かかると言われています。

ライティングにグラフ資料の描写が含まれる点、スピーキングでは徐々に難易度が上がるようにパートが組まれていることなどが大きな特徴です。

IELTSは、ライティングとスピーキングの評価が厳しいことで有名なテストです。スコア6.0までは、語彙文法に配慮し、アウトプット量にこだわることで獲得が可能です。一方で、スコア6.5以上が必要な人にとっては、非常に難しいテストです。

OET

OETは医療専門職向けに設計された英語試験です。医師や看護師などの、英語が母語ではない医療従事者が、「実際に海外で働くことができる英語力があるか」を測定することを目的とした英語テストです。

リーディングとリスニングは、全ての受験者が同一の試験を受験します。一方で、ライティングとスピーキングは、申請する医療分野ごとに違うテスト内容になります。

評価は、A(非常に良い)からE(不十分)までのレターグレードと、0から500点満点の数値の双方で行われます。具体的には、Aグレード(450-500)、Bグレード(350-440)、C+グレード(300-340)といった具合です。

実際に医療現場で起こるコミュニケーションや、医療に関連するトピックを中心にテストが構成されています。特に、仕事と関連性が高い分、ライティングとスピーキングの対策がしやすいです。

一方で、OETはリスニングが難しいことで有名です。その他の英語の試験と比べて、オーストラリアやイギリスの訛りが強かったり、音源の速度が早い点が特徴です。リスニングセクションを突破できるかが、最終的な合格の鍵を握ります。

どちらで対策すべきか

IELTSとOETの、どちらで対策をすべきか悩まれる方もいるかもしれません。結論を述べると、ほとんどの場合は、OETの方が早く合格スコアに到達するケースが多いです。

IELTSは、オーバーオール7.0を取ることはさほど難しくありません。しかし、スピーキングとライティングセクションで、スコア7.0を取得するのは至難の技です。この2つのセクションを、6.5から7.0に上げるために、数年を要したりする人もいます。

OETは医療英語のテストですので、モチベーションも上がります。現地で働くにあたって、OETの対策がそのまま有効です。

そんなOETにも、デメリットがあります。教材が少ない点です。基礎英語力が欠如した中でOET対策を始めてしまうと、途中でやることがなくなってしまいます。その点、IELTSはレベル別の教材が豊富です。

個人的には、IELTSスコアを6.5程度まであげた上で、OETに切り替えることをオススメしています。多くの場合は、これが最短ルートになります。

中には、OETのリスニングセクションがどうしても苦手で、IELTSでスコアメイクをされた方もおられます。スコアの伸びしろを確認しながら、柔軟にテストを変更する選択肢も持っておくと良いでしょう。

また、初期研修からイギリスを目指される場合は、IELTSの方が取りやすい可能性が高いです。OETは350点までは比較的取りやすいですが、400点の壁はとてつもなく大きいためです。実際に、OETを全セクションで400点を超えた方は、過去に1人も見たことがありません。

詳しいテストの比較は、こちらの記事を参照にしてください。

まとめ

今回記事で書いた内容をまとめます。

イギリスで医師登録に必要な英語資格は、

  1. IELTSまたはOETから選択
  2. 一般的にはOETの方が早くスコアメイクができる
  3. 初期研修からの参加に限っては、IELTSがオススメ

テストですので、もちろん相性があります。まずは両テストに回答してみて、自分との相性を見極めてください。

日本人医師にとっては、この英語の資格取得が最大のハードルになります。ほとんどの人にとって、英語対策には数ヶ月から1年はかかります。コツコツと英語の学習を続けていく必要があります。少しずつ頑張りましょう。

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