特定の条件を満たすことで、日本…
オーストラリアの医師の労働環境|労働時間・休暇制度・シフト制の徹底比較
日本人医師の中には、将来オーストラリアで働きたいと思っている人も多いと思います。
オーストラリアは、他国と比べても労働時間が短く、休暇制度が充実している国です。
この記事では、日本との比較を含め、オーストラリアの医師の労働環境について詳しく紹介します。
目次
医師の労働環境
海外で医師として働くことを考えている方にとっては、目的地の労働環境は気になる要素かと思います。この記事では、
- 医師の労働時間
- 休暇制度
- シフト制と役割
の3点に焦点を当てて解説します。
日本と比較して、どのような違いや共通点があるのかを理解することで、イメージが湧きやすくなるかと思います。
1. 労働時間の比較
まずは労働時間を比較してみましょう。
日本の医師は、2020年の調査によると、週平均56時間22分働いており、これは1日あたり約11時間に相当します。
一般的な感覚では大変長いですが、実はこれでも、少しずつですが労働時間が減っています。とはいえこの時間は、過労死ラインとされる週60時間に近く、健康的とは言えません。
一方、2015年の統計によると、オーストラリアでは医師の週平均労働時間は43時間42分であり、これは1日あたり約8時間半です。
単純比較ですが、日本の医師はオーストラリアの医師よりも年間で約1か月分も長く働いていることになります。
ただし、実際のところは科によって労働時間は大きく異なります。
気になる人は、下記の引用リンクから自分の科の労働時間の確認が可能です。
参照1:医師の勤務実態について(日本)
参照2:Medical practitioners workforce(豪州)
2. 休暇制度
次に、休暇制度の比較をします。
日本では有給休暇が取りづらい…と嘆かれる医師の方は多いと思います。この現実が、日本とオーストラリアの労働時間に大きな差を生じさせます。
オーストラリアの医師は、年間20日の有給休暇が与えられます。また、国民の休日も10日ほど休暇として取得が可能です。このため、実質的に年間1ヶ月以上の休暇を取ることができます。
実際に、私のオーストラリアの友人医師なども20日ほどまとめて有給休暇を使い、日本に家族で旅行に行かれたりしています。
先ほどの労働時間の差による1ヶ月と、有給休暇+国民の休日が1ヶ月ほど自由に取れることを考慮すると、日本の医師よりも実質的に年間で2ヶ月分多くの休暇があると捉えることも可能かと思います。
3. シフトについて
次にシフト制について確認をしたいと思います。オーストラリアの病院では、効率的なシフト制が導入されています。
シフト制について説明するにあたり、医師の役職について知っておくと理解がしやすいので、先にオーストラリアの医師の役職についてご紹介します。
- Intern (卒後1年目)
- Resident (卒後2年目~専攻医迄)
- Registrar(専攻医)
- Fellow (専門医)
- Consultant(専門医/主任医師)
上のInternから下のConsultantに昇格をしていきます。実際は、もっと細かな役職がありますが、ここでは理解を重視して省きます。InternからConsultantまでは、少なくとも10年以上の時間を要します。
さて、シフト制についてです。
この記事を読んでくれている方の中には、Standard Pathway(pathwayの詳細はこちらを参照)からオーストラリアで医師免許登録を目指される方もいるかと思います。
その場合は、レジデントから入られることになりますので、まずはレジデントのシフトについて確認をしてみましょう。
- 午前病棟、午後外来担当
- 午後病棟、夕方病棟andオペ室担当
- 夜勤担当
- 午前午後オペ室担当
- 週末病棟andオペ室担当
レジデントにも様々な役割があることが分かります。一般的にレジデントはこの5役のシフト制になります。1週間おきに役割を交代する形で働きます。
一方で、初めから専門医で働かれるプログラムで渡豪される場合は、RegistrarやFellowの役職からの開始になります。
これらの役職では、3日間の日勤、3日間の夜勤、そして6日間の休暇といったローテーションで勤務することが多いです。(※科や病院によって異なりますのでご注意ください)
また、一般的にはConsultantは夜勤を行わず、全体的な指示を出す役割を担います。
この仕組みにより、医師の労働時間が適切に管理され、ワークライフバランスが保たれています。また、役割分担が明確なため、少ない人員でも効率的な運営が可能になります。
最後に
以上が、オーストラリアの医師の労働環境について解説でした。
上級医師にあたるConsultantは診療全体を監督する役割を担い、regidentやregistrarが診療の主役となることで、業務が効率的に分担されています。
総じて、オーストラリアの医師の労働環境は、程よい労働時間、充実した休暇制度、効率的なシフト制によって支えられており、医師たちが健康的かつ豊かな生活を送りながらキャリアを積むことができる環境が整っています。
実際に、私がお会いする日本人医師の方でオーストラリア目指される方は、キャリアの追求以上に、この労働環境に魅力を感じている人が多いように思います。
そもそも、どうすればオーストラリアで働けるの?と疑問に思っている方は、以下の記事をご参照ください。
記事を最後まで読んでいただきありがとうございました。
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