特定の条件を満たすことで、日本…
オーストラリアの医師登録に必要な英語資格 | オススメはどれ?
オーストラリアで医師として働くためには、オーストラリア医療協会(AHPRA)に登録が必要です。APHRAは、オーストラリアにおける医師の登録を管理する公営機関です。
APHRAに登録をするためには、提示されている英語資格の要件を満たす必要があります。今回の記事では、その英語要件について詳しく紹介します。
目次
医師登録に必要な英語資格
さっそくですが、APHRAに医師登録をするためには、以下のいずれかの試験で英語力の証明が求められます。
- IELTS7.0以上(各セクション7以上)
- OET350点以上(各セクション350以上)
- PTE65以上(各セクション65以上)
- TOEFL94以上(R24, L24, W27, S23以上)
上記いずれかの英語要件を満たし、外国人向けの医師国家試験AMCに合格をすることで、医師登録を目指す流れになります。医師登録にはいくつかの方法がありますので、気になる人は以下の記事を参照にしてください。
いずれのテストも、リスニング、リーディング、スピーキング、ライティングの4技能から成り立っています。テスト時間は、どれも2〜3時間ほどで試験のレベルは英検一級程度です。
選択肢が4つもあると選ぶことが大変ですので、以下で特徴を比較していきます。
IELTS
IELTSは世界で最も受験者の多い英語試験の一つです。毎年、世界中で数百万人単位で受験をされています。日本でも各地で受験が可能です。試験頻度も多く、新宿ではほとんど毎日、試験が実施されています。
評価は各セクションごとに、0.5刻みで0から9.0のバンドスコアで示されます。全てのセクションで7.0以上の取得ができると基準を満たすことができます。
9点満点とスコア幅が小さなテストですので、スコア0.5が大きな意味を持ちます。平均的には、スコアを1.0あげるのに、およそ1年程度かかると言われています。
医師の方の多くは、受験時にかなり英語学習をされたと思います。その経験はIELTSでもいきます。時間をかければ、リーディングやリスニングセクションは比較的のり切りやすいです。
一方で、ライティングとスピーキングセクションで7.0をとるのは至難の技です。人によっては、スコア6.5から7.0にあげるために1-2年ほどかかることもあります。
IELTSは英語の底力をつける点ではオススメですが、あまりにスピーキングとライティングが難しいため、最終的にスコアを揃えるという観点ではオススメできません。
OET
OETは医療専門職向けに設計された英語試験です。医師や看護師などの、英語が母語ではない医療従事者が、「実際に海外で働くことができる英語力があるか」を測定することを目的とした英語テストです。
リーディングとリスニングは、全ての受験者が同一の試験を受験します。一方で、ライティングとスピーキングは、申請する医療分野ごとに違うテスト内容になります。
評価は、A(非常に良い)からE(不十分)までのレターグレードと、0から500点満点の数値の双方で行われます。具体的には、Aグレード(450-500)、Bグレード(350-440)、C+グレード(300-340)といった具合です。
全てのセクションでB Gradeにあたる350以上を取得ができると基準を満たすことができます。
IELTSと比較をすると、ライティングとスピーキングの対策がしやすいです。実際に医療現場で起こるコミュニケーションや、医療に関連するトピックを中心にテストが構成されているためです。
一方、リーディングは選択肢の曖昧性が高く、回答を絞り込むのが困難です。また、リスニングはIELTSと比較をすると速度が早く、オーストラリア訛りも強いため苦労される方が多いです。
4つの英語資格の中でOETは唯一、学習したことがそのままオーストラリアで働く時に役立ちます。また、英語資格の後に続くAMCとも関連性が高いため、個人的には最もオススメのテストです。
PTE
PTEとは、Pearson Test of English Academicの略で、一般英語力を測定するテストとしても認められています。出題されるトピックはIELTSと似ており、一般性が高いです。
主要英語国の中で、医師免許登録にPTEが使用できるのはオーストラリアだけです。結果の発表が非常に早く、通常24〜48時間以内に受験者に送信されます。
スコアは、各セクションが10点-90点で採点されます。全てのセクションで65以上を取得ができると基準を満たすことができます。
医師の方にとっては、リーディングスとライティングセクションでスコアが取りやすいテストです。一方、リスニングやスピーキングは、相性によりスコアが大きく左右されます。
問題の構成や機械が採点をすることから、「声がか細い」「話すスピードが遅い」「記憶に自信がない」人はスコアが低めに出る傾向があります。
内容が単調で興味が持てないとおっしゃる方が多いため、最初からPTEでチャレンジをするのではなく、IELTSやOETで伸び悩んだ際に考慮すると良いでしょう。
TOEFL
TOEFLはTest of English as a Foreign Languageの略で、アメリカの教育機関ETS社によって作成されています。北米の大学に進学をした際に通用する英語力があるかを測る試験です。
IELTS同様にアカデミックトピックが中心ですが、出題されるトピックはより限定的です。特に、理系トピックからの出題が多く、宇宙、生物、科学、歴史等の知識が重要になります。
スコアは、各セクションが30点満点の計120点で採点されます。総合スコアで94以上、各セクションそれぞれ(R24, L24, W27, S23)以上のスコアが求められます。
医師の方にとっては、この4つの中ではTOEFLが最も難しく感じる可能性が高いです。リスニングの難易度が高く、スピーキングやライティングの中にもリスニングが含まれているためです。
また、ライティングセクションで27点以上を取得するのも困難ですので、TOEFLでの受験はあまりオススメできません。
結論
今回記事で書いた内容をまとめます。
オーストラリアで医師登録に必要な英語資格は、
- 4つの英語資格から選択が可能
- AMCを考慮してもOETがオススメ
- 英語が不安な人はIELTSから学習を
得意な技能にもよりますが、ほとんどの人にとっては、OETが最も早く合格スコアに到達する可能性が高いです。
少し前まではIELTSで留学をされる人がメジャーな時代がありました。そういった背景から、「とりあえずIELTS」といった形で学習をスタートされる方も多いと思います。
IELTSはオーバーオール7.0を取ることはさほど難しくありません。しかし、重複してしまいますが、スピーキングとライティングセクションで、スコア7.0を取得するのは至難の技です。
IELTSはこの4つの中でも教材が最も豊富です。IELTSでスコアを6.5程度まであげた上で、OETに切り替えることをオススメしています。多くの人にとっては、これが最短ルートになります。
OETは医療英語のテストですので、学習のモチベーションも上がります。現地で働くにあたって、OETの対策がそのまま役立ちます。
一方でOETは教材が少ないです。十分な英語力がない中でOET対策を始めてしまうと、途中でやることがなくなってしまいます。
IELTSとOETに関してのより詳しい情報は、下記を参照にしてください。
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記事を最後まで読んでいただきありがとうございました。
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