OET合格後の次のステップ:ECFMG Pathway申請の流れと注意点
Step 1、Step 2 CK、そしてOET Medicineに合格された皆さま、おめでとうございます。
次のステップとして、ECFMGによる認証(ECFMG Certification)を受ける必要があります。この認証を得るために欠かせないのが、今回のテーマである Pathway(パスウェイ)申請 です。
本記事では、特に日本の医師免許をお持ちの方向けに、OET合格後の申請手順をわかりやすく解説します。
目次
1. ECFMG Pathwayとは?
かつては「Step 2 CS」という臨床技能試験を受けて合格することで、英語と診療スキルを証明していました。しかし、この試験が2021年に廃止され、代わりに導入されたのが「Pathways(パスウェイ)制度」です。
Pathwayは6種類あり、受験者の医師免許の有無や学歴、過去の受験歴に応じて適用されます。
この制度を通じて、臨床スキルと英語力を証明することが、ECFMG認証の条件となっています。
2. 日本の医師は通常 Pathway 1 に該当
日本で医師免許を持っている方は、基本的に「Pathway 1 – Already Licensed to Practice Medicine in Another Country」で申請します。
このPathwayは、自国で有効な医師免許をすでに持っている医師が対象で、その免許を根拠に「臨床スキルが十分にある」と判断される仕組みです。
Pathway 1の主な対象
- 日本の医師免許を保有している
- Step 2 CSを受けたことがない(または不合格歴がない)
- OET Medicineで各項目350点(Writing 300点以上)を取得している
一方で、もし過去にStep 2 CSを受けて不合格になったことがある場合は、Pathway 6(Standardized Clinical Encounter) の対象になります。
Pathway 6では、模擬診察のビデオ提出など追加の審査が必要となります。
3. Pathway 1 申請の手順
(1) OETスコアをECFMGに共有する
OETの公式サイト(MyOET Portal)にログインし、「My Results → Manage Verifier Access」からECFMGを選択します。これで、OETの結果が自動的にECFMG側へ送信されるようになります。
✅ 補足
OETスコアを自分でメール添付などで送る必要はありません。「Verifier Access」でECFMGを選択していれば自動連携されます。
(2) 厚生労働省から英文証明書を発行してもらう
Pathway 1の申請では、医師免許の有効性を証明する英文書類が必要です。日本の場合、これらの証明書は、厚生労働省(医政局 医事課)から直接ECFMG宛に送付してもらう必要があります。
提出が求められる主な書類は以下の2つです:
- 行政処分関係英文証明書(Certificate of Good Standing)
- 医師免許証英訳文証明書(Certificate of Medical License)
これらを厚労省に郵送申請し、PDF形式でECFMGへ送付してもらいます。
通常、発行から1〜1.5か月程度かかります。なお、ECFMGが受け取れるのは発行から90日以内の書類のみなので注意が必要です。
(3) オンラインで申請・支払い
必要書類が揃ったら、ECFMG公式サイトのApplication for Pathwaysページから申請します。
- 申請料:約925 USD
- 注意点:申請開始後5日以内に提出完了しないと下書きが削除
事前にすべての書類とデータを揃えてから申請を開始するのが安心です。
4. Step 1 / Step 2 CK の不合格歴は関係ある?
混同しやすい点ですが、Step 1やStep 2 CKでの不合格はPathway選択には影響しません。Pathwayは、臨床スキル試験(Step 2 CS)の代替制度だからです。
つまり、
- Step 2 CSを受けたことがない → Pathway 1〜5(日本医師は通常1)
- Step 2 CSで不合格歴あり → Pathway 6
というルールのみが適用されます。Step 1・Step 2 CKの結果は、ECFMG Certification全体の要件に関係しますが、Pathwayの種類には影響しません。
5. ECFMG Certificateの有効期限
Pathwayを通じて発行されるECFMG Certificateには期限があります。
| Pathway年度 | 有効期限 |
|---|---|
| 2025 Pathway | 2027年12月31日まで |
| 2024 Pathway | 2026年12月31日まで |
ただし、米国のACGME認定プログラムで1年間の臨床研修を修了すると、認定は永久有効(Permanent Validation)になります。
そのため、多くの医師は「マッチング直前の年に申請」するよう計画しています。
6. 英文翻訳に関する注意点
最後に、「英語翻訳(Official Translation)」には注意してください。
卒業証書や成績証明書が英語でない場合、ECFMGでは「大学が直接発行した英文証明」または「ECFMG指定の翻訳サービスによる公式英訳」を求めています。
一般の翻訳会社の文書は「Official」と認められないことが多く、再提出を求められて申請が数か月遅れるケースもあります。
最も確実なのは、Straker Translations(ECFMG推奨)を利用することです。早めに準備しておくと、認証段階でのトラブルを避けられます。
参考:

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