日本人医師の中には、将来オース…
オーストラリアで医師 | 求人事情と就職先の見つけ方を紹介
特定の条件を満たすことで、日本人医師はオーストラリアで働くことが可能です。
コネクションがあるような人を除いては、オーストラリアでの勤務先は自分で見つける必要があります。
働くための条件を満たすことも大変ですが、人によっては就職活動でより苦労されることもあります。
この記事では、オーストラリアで医師として働くための、求人事情と就職先の見つけ方を詳しく紹介したいと思います。
目次
前提として必要な準備
具体的な仕事の見つけ方の前に、まずは事前の準備についてです。
- 英語力の証明
- AMC or 日本の専門医取得
- 英文履歴書の用意
最初のステップとして、英語力の証明が必要です。4つの英語試験の中から、自分に合ったものを選択することができます。とはいえ、どれも求められる基準は高く、英語が得意な方でも一発でクリアをするのは難しい試験です。
日本で専門医を取得していない場合は、外国人向けの医師国家試験「AMC」に合格する必要があります。
その上で、実際に求人に申し込む際には、英文履歴書の準備も必要です。オーストラリアでの医師免許登録に関する全体像については、以下の記事を参考にしてください:
求人と就職先の見つけ方
ここからは、実際に求人の見つけ方をみていきます。一般的に以下の3つの方法が求人活動において利用されています:
- フェローシッププログラム
- 医療従事者専用の求人サイト
- MPHや研究留学を活用
就職の難易度と必要な期間は人それぞれです。専門医を取得しているのか、自身の科によっても大きく左右されます。
そういった意味では一般化するのが難しいのですが、私がお会いする方の多くは、早い方で1ヶ月、時間がかかる方は8ヶ月程度を要します。
また、就職活動は実力以上に、「運」「タイミング」「相性」といった要素が重要になります。これらは自分でコントロールできない要素です。
このように書くと、悲観的になる方がいます。しかし、諦めずに活動を続ければ、必ずどこかのタイミングでマッチしますのでご安心ください!
それでは、具体的な求人の探し方を確認していきましょう:
1:フェローシッププログラム
まずは、最もオーソドックスな方法です。それは、自分の専門のフェローシッププログラムに応募するというものです。
フェローシップですので、専門医を取得している人に限ります。多くの場合、自分の専門医機構にあたる「College」や「Association」のホームページ上に掲載されています。
整形外科を例にあげます。「Australian orthopedic Association Fellowship」と検索をかけてみてください。
下記のように、多くのプログラムが紹介されていることが確認できます。
フェローシッププログラムは、IMGを対象にしていることも多いです。一般的な求人と比べ、条件を満たすことができれば採用の確率が高いです。専門医も取得している人は、まず最初に検討すべきアプローチと言えるでしょう。
オーストラリアとニュージーランドは、専門医機構が統一されています。したがって、ニュージーランドの案件も多く見かけます。
専門医機構のウェブサイト上に紹介をされていないような場合は、Contactから直接相談をしてみてください。IMGのフェローを募集している病院のリストを送ってくれるようなことがあります。
2:医療従事者専用の求人サイト
オーストラリアには、医療従事者の求人を集めた求人ウェブサイトがあります。
以下のように、州ごとに分けられたウェブサイトです。
- 参照1: eRecruit(NSW州)
- 参照2: Queensland Health job(QLD州)
- 参照3: Monash Health (VIC州)
- 参照4: MedJobsWA(WA州)
これらの求人には、インターン、研修医、レジデントの案件も含まれています。したがって、AMCの取得から就職を目指す方、専門医をすでに取得済みの人の、どちらも活用ができます。
記載の仕事は、すでに現地に住まわれている医師を対象にしています。つまりオーストラリアの医師免許を既に持っており、永住していることを前提としてる場合が多いです。
IMGとしての応募は、病院側の準備の負担が多くなるため、基本的には不利と言えます。
「10件応募して、1件返信が来たらラッキー」ぐらいの気持ちでチャレンジをしましょう。高い競争を勝ち抜くためには、「実力」「人柄」「英語力」の3点が鍵を握ります。
他にも「SEEK」や「Indeed」といった大手の求人サイトがあります。こういったところに求人を出している病院などは、自分の専門の科でなくとも採用のチャンスがあることがまれにあります。積極的に応募してみましょう。
3. MPHや研究留学を活用
最後が、MPH(公衆衛生学修士)や研究留学を挟むというものです。こちらのルートは、専門医の取得有無にかかわらず、利用することが可能です。
オーストラリアで医師として働くためには、準備として多くの時間がかかります。日本で医師として働きながら、必要な準備をするのは本当に大変です。
しかし、人によっては「とりあえず渡豪したい」というケースもあるかと思います。そんな場合にオススメです。
大学や病院に通いながら、医師として働くための英語やAMCの対策をすることができます。周囲にも同様の目的の人がいますので、情報交換やコネクション作りが可能です。
大学院の留学に必要な英語力は、IELTSオーバーオール6.5です。決して簡単なスコアではありませんが、医師として働く際に求められる基準と比較をすると、かなり緩いといえます。
デメリットは、お金がかかることです。学ぶ立場として渡豪するため、学費や生活費を貯金から切り崩していくことになります。
最後に
以上が、オーストラリアで医師として働くための、求人と就職先の見つけ方の紹介でした。いかがでしたでしょうか。
以前は、病院へのゲリラメールや、アポなし病院訪問なども有効な就職活動の手段でした。しかし、2024年現在は、医師の求人が一元的にまとまりつつあります。
これは、求職者としてはありがたいことですね。
なぜなら、日本で働きながら就職活動をし、採用が決まった段階で仕事を辞めるといったローリスクの手段を取ることができるためです。
オーストラリアで働きたいかまでは分からない場合は、病院見学等から入るのも一つの手です。日本人医師を多数受け入れている、大規模病院には病院見学の制度が充実しています。
短期間働いてみたい場合などは、日本で専門医を取得し、フェローシッププログラムで参加をするのが良いでしょう。AMCをクリアして、現地の医師免許を取得するには、通常3~5年はかかります。
以上、オーストラリアでの就職活動についてのヒントでした。参考になりますと幸いです。
記事を最後まで読んでいただきありがとうございました。
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