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カナダで医師として働く方法を紹介

カナダで医師として働く方法

この記事では、海外の医師(IMG: International Medical Graduates)がカナダで医師として働くためのプロセスと、必要となる英語力の条件について解説します。

ステップ1. 自国で専門医資格を取得する

IMGがカナダの医科大学に入学するのは非常に競争が激しく、ほぼ不可能です。そのため最初のステップは、自国で専門医研修を修了し、資格を得ることです。

また、USMLEはカナダでは使用できないため、自国の専門医資格が申請の基盤となります。

ステップ2. 英語要件を満たす

専門医となった後、次のハードルはIELTSやOETといった英語試験で規定のスコアを取得することです。

多くのIMGは1〜2年かけて準備するため、早めに学習を始めるのが望ましいです。(詳細は下記「英語要件」を参照)

ステップ3. クリニカル・フェローシップに応募する

英語の条件を満たしたら、カナダの大学で臨床フェローシップに応募できます。これは通常、各大学のウェブサイトを通じてプログラムコーディネーターに直接連絡する形で始まります。

カナダの大学病院の中には、トロント大学やブリティッシュコロンビア大学のように、高度に専門化された分野のフェローシップを提供しているところもあります。

多くのフェローシップは有給で、平均年収は8万〜9万カナダドルです。

ステップ4. 大学病院でポジションを得る

フェローとして1年以上勤務すると、州の限定免許を申請でき、カナダで専門医として働けるようになります。

ただし、就職先を確保することが不可欠です。フェロー期間中に強い人脈を築いたり、研究を発表したり、臨床スキルを示すことで、大学病院からのオファーを得られる可能性が大幅に高まります。

英語要件

どの州であっても、カナダで働きたいIMGには英語能力の証明が必須です。

主な基準は以下の通りです:

IELTS要件OET要件
ブリティッシュコロンビア州(バンクーバーなど)IELTS 7.0(各セクション最低7.0)OET 350(各サブテスト最低350)
オンタリオ州(トロントなど)IELTS 7.0(各セクション最低7.0)OET 350(各サブテスト最低350)

カナダは他国と異なり、要件が州ごとに異なります。

2025年9月時点では、ブリティッシュコロンビア州とオンタリオ州の両方でIELTSまたはOETが受け入れられています。

  • IELTS: 学術英語に特化。移民や高等教育に役立つが、臨床現場には直接的ではない。
  • OET: 医療従事者向けに設計。臨床コミュニケーションと直結している。

一部のフェローシップ(1〜2年)ではTOEFLが求められる場合もあります。たとえば、トロント大学はTOEFLを標準として掲示していますが、多くの場合、コーディネーターに依頼すればIELTSやOETでも認められます。

参照:CPSBC

参照2:Utronto

IELTSとOETの比較

では、どちらの試験を選ぶべきでしょうか?

おすすめの戦略は、まずIELTSで6.5程度まで英語力を伸ばし、その後OETに切り替えることです。

理由は、OETの教材や指導者が限られているからです。早すぎる段階でOETに移行すると、十分な学習リソースを得られない可能性があります。

一方、IELTSは世界で最も受験者数の多い英語試験で、年間400万人以上が受験しており、教材も豊富です。

ただし、多くのIMGがIELTSのスピーキングやライティングを6.5から7.0に上げるのに苦労し、年単位の時間を要することもあります。そうした場合、OETに切り替えると、数ヶ月で合格点に達する人も多いです。OETのスピーキングとライティングの基準はIELTSより緩やかで、リスニングはやや難しい傾向があります。

まとめると:

  • IELTS = 学術英語の基礎を築くのに最適
  • OET = 医療現場に即した実用的な内容で、合格への最短ルートになることが多い

まとめ

この記事の要点は以下の通りです:

  • 自国で専門医資格を取得する
  • IELTSで英語の基盤を作る
  • OETでカナダの免許要件を最短で満たす

すでに専門医であるIMGにとって、最初のハードルは英語試験です。これらは英検1級合格に相当するレベルとも言えます。

試験は難しいですが、これまでの学術英語の経験が土台になります。正しく準備をすれば、カナダでの海外キャリアは十分に実現可能です。

カナダの場合は、最終的に永住を目指されている方なども、基本的には大学病院のフェローシップから入ることが基本になります。

他国と比較をすると、入り口は比較的開かれていますが、正規登録までは長い道のりです。応援しております。

最後まで記事を読んでいただきありがとうございました。何かご質問などあればお気軽にご連絡ください。

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