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MRCP Part 1の概要と対策方法(イギリスGMC登録)

日本人医師がイギリスで臨床を目指す場合、GMC登録が必要です。GMCとは “The General Medical Council” の略で、イギリスにおける医師の登録を管理する公営機関を指します。

GMC登録のためには、PLABかMRCPを受験する選択肢があります。

PLAB とは “Professional Linguistic and Assessments Board”(専門言語評価委員会)の略です。できるだけ早く医師としての英国でのキャリアをスタートさせたいIMGのために作られた試験です。

MRCPとは “Membership of the Royal College of Physicians” の略です。MRCPは、PLABよりも多くのスキルやコンピテンシーをアピールできる大学院資格として認められており、ST3+レベルの仕事に就くことができます。つまり、MRCPは、キャリアをより高いところから始めたい方に向いた試験です。

MRCPを通したGMC登録は、以下の資格を取得する必要があります:

  1. English language skills registration standard(英語資格)
  2. MRCP Part 1(筆記試験)
  3. MRCP Part 2(筆記試験)
  4. MRCP PACES(実技試験)

まず前提として、海外で臨床するための最低限の英語力を証明する必要があります。これは「OET」や「IELTS」のいずれかで、基準点以上を取得することが求められます。

英語試験は、どのタイミングでも受験をすることが可能ですが、MRCP対策をするには高い英語力が必要です。できれば、一番最初に英語試験をクリアすると良いかと思います。

その上で、MRCPの筆記試験と実技試験で合格する必要があります。これはイギリスの国家試験ですが、イギリス国内外で受験が可能です。日本から近場ですと、香港、マレーシア、シンガポールのいずれかで受験が可能です。

今回はそんなMRCP Part1(筆記試験)の対策方法についてまとめていきます。

MRCP Part1の概要

MRCP Part1は、学部教育で習得した基礎医学の知識を基に構成されている、コンピューターベースの試験です。100問を5択で選んでいきます。試験時間は約3時間。

MRCP Part 1の受験資格としては、医学部を卒業後1年以上医師として働いていることが要件です。

以下にザッと概要をまとめておきます:

名称:MRCP Part 1(Multiple Choices Questions)
試験形式:選択問題(5択)
問題数:200問(100問x2)
試験時間:180分
合格率:50.1%
合格点:540点(124問正解)
受験費用:£616
試験申し込み:*1 MyMRCP(UK)の作成
参照元:MRCPUK 1
MRCPUK 2
MRCPUK 3

MRCP Part1の主な対策方法

MRCP Part1の主な対策方法は大きく分けて以下の3つです:

  1. 公式のサンプル問題
  2. オンライン対策
  3. 本で対策

YouTubeなどにも、対策を挙げられてる方などもいますが、情報が正確でないことが多いです。公式のテキストがないため、できる限り本番に近いサービスを活用することが重要です。

それぞれの対策方法の特徴を説明します。

1. 公式サンプル問題

MRCP Part1は公式参考書はありませんが、サンプルの問題はウェブサイトからアクセスが可能です。

  1. MRCPUK Part 1 sample questions

何よりも、まずは公式のサンプル問題に回答するのが良いでしょう。まずは、問題形式を理解し、回答の感覚を掴んでください。

サンプル問題に回答するためには、Eメールアドレスでの登録が必要です。上記のリンクから確認をしてみてください。

2. オンライン対策

公式の参考書がないため、ほとんどの人は市販のオンライン講座を通じて対策を行います。

以下が主要なオンライン対策講座です:

  1. PassMedicine
  2. Passtest
  3. BMJOnExam

これらは、問題が大量に用意をされているだけではなく、動画のレクチャーにもアクセスが可能です。

オンラインでの対策は、どうしても受身的になってしまいます。目的意識を持ち、何度も回答することをオススメします。

間違った問題などは、徹底的に復習をしてください。選択肢が正答の理由だけでなく、不正解の選択肢となる理由まで言語化できるよう復習をすることが重要です。

3. 本で対策

中には、テキストブックで学習をしたい人もいるかもしれません。

以下が一般的なMRCP Part1で活用される参考書です:

  1. Basic Medical Sciences for MRCP Part 1
  2. Best of Five MCQs for the MRCP Part 1 Pack
  3. Essential Revision Notes For Mrcp

これらの参考書の問題点は、情報が古いことです。「1」は2005年、「2」は2017年、「3」は2019年の刊行になっています。対策の基本はオンライン対策講座とし、本での対策は学習補助とするのが良いでしょう。

英語の読解に不安がある方などは、まずはOETの学習を通して基礎英語力を上げることを行いましょう。英語が読めない場合、MRCPは対策ができません。

まとめ

MRCP Part1は、医学知識を問う選択問題(5択)です。選択問題を解くためには、基本的に以下のスキルが求められます:

  1. 医学知識
  2. 英語の語彙力

結局は語彙を正しく理解できるかリーディングが正確にできるか、が一番のキーファクターです。インプットは一朝一夕で身に付くスキルではなく、特に専門外の知識に関しては長期的に情報に触れている事が重要になるので、対策をする際は焦らず長期的に学習に取り組めるプランを作りましょう。

最後まで読んでいただきありがとうございました。何かご質問などあればお気軽にご連絡ください。

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