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日本人医師がニュージーランドで医師登録するステップ

ニュージーランドは海外で臨床を目指す日本人医師に人気のある国の一つです。自然環境や教育制度の魅力から、将来の子どもの教育も視野に入れた移住先として選ばれることが多い国です。

ニュージーランドで医師として働くには、Medical Council of New Zealand(MCNZ) による登録と practising certificate(診療証明書) の取得が必須です。この記事では、現行の公式情報に基づき、日本人医師がニュージーランドで臨床を行うための主なステップを紹介します。

ニュージーランドで医師になる4つの方法

日本人医師がニュージーランドで医師登録するためには、一般的に以下の4つのパターンがあります:

  1. Comparable Health System Pathway(2025年2月〜の新ルート)
  2. NZREX Clinical に合格し、PGY1 ポストを得るルート
  3. 専門医資格を活かして Vocational Registration を目指すルート
  4. オーストラリア(AHPRA)経由のルート

それぞれを解説していきます。

1. Comparable Health System Pathway【2025年2月〜】

2025年2月、MCNZが日本を「Comparable Health System(同等の医療制度を持つ国)」のリストに追加しました。これにより、日本人医師はNZREXを受けずに登録申請が可能になっています。

主なポイント

  • 直近48ヶ月のうち33ヶ月以上、週20時間以上の臨床経験が必要
  • NZでの想定ポジションと同じか類似の分野・責任レベルでの勤務歴
  • 日本での医師免許を保有していること
  • 申請処理は20営業日以内と非常に早い

登録後の流れ

  1. 受け入れ先の確保(仕事のオファーが前提)
  2. Comparable Health System Pathwayで申請
  3. Provisional General Scope で登録、監督下で勤務
  4. 最低6ヶ月以上の監督下勤務後、General Scopeへ移行

※ 注意点として、General Scope ≠ 独立した家庭医(GP)です。General Scopeでは病院のRMO(勤務医)として働く形となり、独立してGPとして開業するには別途 RNZCGP の Fellowship が必要になります。

参照:Comparable Health System


2. NZREX Clinical

Comparable Health Systemパスウェイの要件(33ヶ月以上の臨床経験)を満たせない若手医師の場合は、従来のNZREX Clinicalルートになります。NZREXは、ニュージーランドで医師として登録するために必要な 臨床試験(Objective Structured Clinical Examination) です。

主なポイント

  • 合格者は 12 の評価ステーション 形式の臨床試験を受けます。
  • 受験には 英語能力要件(IELTS か OET 等)および 国際試験の合格実績(例:USMLE、PLAB、AMC、MCCQE 等)が必要です。これらは過去数年以内の合格証明が求められます。
  • 資格の Primary Source Verification(ECFMG/EPIC など) を済ませてから申請する必要があり、書類の認証には時間がかかることがあります。

合格後の流れ

  1. NZREX Clinical に合格する
  2. MCNZ が認定する病院で PGY1(前職業研修 1 年目) の臨床ポストを確保
  3. provisional general registration の申請・取得
  4. PGY1 完了後に general registration の申請へ進む(PGY2 を含むこともあり得ます)

※試験日程は公式サイトで随時公表され、年ごとに異なります。


3. Vocational Registration(専門医資格を活かすルート)

専門医資格をすでに持っている医師は、Vocational Registration(専門医としての登録) を目指すことができます。

ポイント

  • MCNZは複数の登録スコープを設けており、専門医レベルの登録は一般的な登録とは別に審査されます。
  • 専門医資格だけで自動的に登録できるわけではなく、該当する 専門医学会(例:内科ならRACP、外科ならRACS、家庭医ならRNZCGP)が、申請者の研修・資格・経験を「NZ専門医と同等か」評価します。
  • 申請処理には通常 4〜6ヶ月 かかります。
  • 評価結果が「完全同等」ではなく「同等に満足できる(as satisfactory as)」と判定された場合、Provisional Vocational Scope で6〜12ヶ月の監督下勤務と、VPA(Vocational Practice Assessment) が必要になることがあります。
  • 短期的なトレーニング(Postgraduate Training、最大2年、帰国前提)で経験を積み、長期登録に繋げる戦略もあります。

4. オーストラリア経由

オーストラリアの AHPRA(Australian Health Practitioner Regulation Agency) で医師登録を取得し、その後ニュージーランドでの登録を申請するルートもあります。

ポイント

  • オーストラリア一般登録(AMC 試験合格+1年研修など)者は、NZ側で Comparable Health System を通じて登録可能です。
  • このルートは NZREX を避けられる ため、オーストラリアでの臨床経験を積みながら将来の NZ 移住を考える選択肢として有力です。
  • ただし、2025年2月以降は日本がNZのComparable Health Systemに直接追加されたため、オーストラリア経由のメリットは以前より薄れています。日本→NZ直接ルートで十分というケースが増えるでしょう。

必要な英語資格

2025年11月改訂版の英語要件は以下のいずれか1つです:

試験SpeakingListeningReadingWriting
IELTS Academic7.07.07.06.5
OET350350350300

ポイントは、Writingだけ若干基準が低い点です。IELTSは6.5、OETは300(旧C+相当)で良いので、以前のイメージほどハードルは高くありません。

さらに、12ヶ月以内の2回の受験結果を合算するルールや、IELTS One Skill Retake(1セクションのみ60日以内に再受験)も認められています。

IELTSはリスニング・リーディング・スピーキングで7.0以上を取得する事が難しく、OETはリスニングで350点以上を取得する事が難しいという傾向があります。

どちらの試験が適しているかは個人の適性や現場の英語力に応じて異なるので、気になる場合は専門の方に相談してみると良いでしょう。

参照:Policy on English language requirements


まとめ

今回紹介したルートは公式情報をベースに整理したものです。2025年2月の Comparable Health System への日本追加は、日本人医師のNZ進出のハードルを大きく下げた重要な変更です。

ただし、どのルートで進むにも英語力の証明が必要となります。そのため、可能な限り早い段階から 英語資格対策 を始めることが成功への第一歩になります。

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