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シンガポールで医師として働く方法を紹介

日本人医師がレジデントとして働く場合、多くの方はアメリカを想像すると思います。

しかし、実はシンガポールでも、特定の条件を満たすことでレジデントとしての就労が可能です。その待遇は世界でもトップクラスです。

この記事では、シンガポールで医師として働く方法を紹介します。

医師になるステップ

シンガポールで医師として働くためには、以下の5つのステップが必要になります:

  1. 指定の大学の医学部を卒業
  2. 日本で三年以上の医師経験
  3. 英語力の獲得
  4. 面接
  5. ビザの取得

つまり、特定の学歴を満たし、一定期間の就労経験がある人であれば、英語力を満たすことでシンガポールで働く資格が得られます。

アメリカのようにUSMLEの受験等は必要ありませんので、ハードルは低めといえそうです。

詳しく見ていきましょう:

1. 指定の大学を卒業する

シンガポールで働く場合、特定の大学の医学部を卒業している必要があります。

日本では、以下の8大学の医学部医学科が認定されています:

  • 東京大学(2006年)
  • 京都大学(2006年)
  • 北海道大学(2006年)
  • 大阪大学(2006年)
  • 慶應義塾大学(2007年)
  • 名古屋大学(2007年)
  • 九州大学(2007年)
  • 東京女子医科大学(2007年)

カッコ内の年度以降に卒業している人が対象になります。上記8大学以外の大学を卒業している人は、シンガポールでは就労できません。

指定学歴に関する一次情報は、こちらシンガポール医療審議会(SMC)のウェブサイトから確認ができます。

2. 日本で三年以上の就労

次に、重要な条件のひとつとして、ハウスマンシップ(卒後臨床研修)を修了した後に、急性期病院で3年以上の勤務経験を積んでいることが求められます

ここでいう「ハウスマンシップ」とは、日本でいう初期研修医(2年間)のようなものです。シンガポールでは、研修中の経験は正式な勤務経験とはみなされず、研修終了後に医師として独立して働いた期間のみがカウントされます

また、勤務先は単なるクリニックや回復期リハビリ病院では不十分で、救急対応や手術、入院治療などを提供する「急性期病院(acute hospital)」である必要があります。

さらに、職種についても、メディカルオフィサー(Medical Officer, MO)またはこれに相当するポジションでの経験が求められています。役職名が多少異なる場合でも、仕事内容がMOと同等であれば問題ありません。

3. 英語力の獲得

同時に、英語力の証明が必要です。SMCのサイトでは以下の3つの試験が認められていることが確認できます。

  • IELTS 各セクション7.0以上
  • TOEFL iBT100(各セクション25以上)
  • OET 各セクションB以上(=350点以上)

どの試験を受けても構いませんが、ほとんどの医師にとってはOETが最もパスしやすいです。

IELTSとTOEFLのスピーキング・ライティングセクションでは、指定のスコアを出す難易度が高いためです。

また、臨床英語をベースとしたOETの学習をしておくと、シンガポールで臨床をする役にも立つので個人的にもオススメです。

OETに関して詳しく知りたい方は、以下のブログを参考にしてください:

4. 面接

英語力の獲得ができたら、面接にうつります。面接は現地のSMC直下の採用エージェントと病院の2回行われます。

どちらもZOOMで実施が可能なので、シンガポールに行く必要はありません。

面接の申し込みは、個人ではできません。シンガポール政府が提携をしている、現地エージェントに依頼をする必要があります。おつなぎすることが可能ですので、ご希望のかたはご連絡ください。

面接では、事前に提出する履歴書を中心に、英語力や臨床経験について確認されます。医療従事者としてのバックグラウンドや、シンガポールでの就労動機などについて聞かれます。

自分の身の回りのことに関して、英語で描写ができるようにしておきましょう。

5. ビザの取得

病院とマッチングが終了したら、ビザの申請に進みます。

シンガポールで医師(この場合は、Resident Physician, RP)として働くためには、まずEmployment Pass(EP)と呼ばれる就労ビザを申請・取得する必要があります。

EPは、シンガポールで医師などの専門職に就く外国人向けの主要なビザであり、政府が定める給与基準や学歴基準を満たす必要があります。

RPとして病院と契約が完了した後、病院側がビザスポンサーとなり、EPの申請手続きを進めます。ビザが承認されれば、正式にシンガポールで医師として働くことが可能になります。

そして、EPを取得した医師は、家族をシンガポールに帯同させることも可能です。ここで利用されるのが、Dependent Pass(DP)という仕組みです。

DPは、EP保持者の配偶者や21歳未満の未婚の子供に発行される滞在ビザです。つまり、RPとしてEPを取得できれば、配偶者や子供もDPを通じてシンガポールに同行し、滞在できるようになります。

この制度により、医師本人だけでなく家族も安心して新生活をスタートできる体制が整えられます。

最後に

以上が、シンガポールで医師として働く方法の紹介でした。

特に英語に関しては、皆様が思っているより時間がかかることが多いです。早めに早めに準備を始めましょう。

シンガポールはRPの給与面が非常に良いことで有名です。基本給($7000 – $15,000)+住居手当$1,500+変動給(残業・夜勤・オンコール手当)といった形になることが多いようです。

一定年数働くことによって永住権の獲得も可能です。海外の英語環境でキャリアを積みたい医師の人は、考慮してみると良いでしょう。

最後まで記事を読んでいただきありがとうございました。何かご質問などあればお気軽にご連絡ください。

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