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イギリスの医師の年収を役職ごとに紹介

医師という職業は、どの国でも高い社会的地位と報酬が期待されるものですが、その具体的な年収は国によって大きく異なります。

特にイギリスでは、国民保健サービスである、National Health Service(NHS)によって定められており、医師の給与体系は独特です。

この記事では、イギリスの医師の年収について、役職ごとに詳しく紹介します。これからイギリスで医師を目指す方や、海外でのキャリアを考えている方にとって、参考になりますと幸いです。

医師の役職と年収

イギリスの医師は、役職によって年収が大きく異なります。この記事では、最も一般的な以下の4つの役職に焦点を当てたいと思います。

  1. ジュニアドクター
  2. スペシャリティドクター
  3. スペシャリストドクター
  4. コンサルタント

実際に、働くポジションにより、給与は大きく異なります。イギリスで働くことを考えている人は、どの役職から働くのか、最終的に目指すポジションもある程度考えておくと生活の設計がしやすくなります。

それでは、詳しく見ていきましょう。

ジュニアドクター

まずは、イギリスのジュニアドクターの基本給です。ジュニアドクターは、まだ臨床トレーニング中の段階で、日本の対応職位は、研修医(初期臨床研修医)になります。

等級基本給
FY1£32,398
FY2£37,303
CT1£43,923
CT2£43,923
CT3£55,329
ST1£43,923
ST2£43,923
ST3£55,329
ST4£55,329
ST5£55,329
ST6£63,152
ST7£63,152
ST8£63,152

FYは “Foundation Year”、CTは “Core Training” 、STは “Special Training”の略です。ジュニアドクターの給与水準は、等級が上がるにつれて上がっていきます。

FY1は基本給£32,398からスタートします。CT1やST1になると、基本給は£43,923に上がります。ジュニアドクターの最上位はST8で、給与は£63,152です。

給与の上昇頻度はそれほど高くなく、数年に一度です。しかし、各昇給の伸び幅は大きいです。これは、等級が上がると、大幅な給与アップを意味しています。

この数値は、あくまで基本給であることがポイントです。実際は、基本給に加え時間外手当(標準時給の37%増)、週末手当が支給されるため、基本給の1.2~1.5倍程度になることが一般的です。

スペシャリティドクター

次に、スペシャリティドクターの給与です。スペシャリティドクターとは、ジュニアドクターで行う基礎研修と初期基幹/専門研修を修了した医師が対象です。

日本の対応職位は、専門医取得直後の医師です。イギリスでは、Special Training 3+(ST3+)と表記をされたりします。

勤務年数基本給
0£52,530
1£52,530
2£52,530
3£60,519
4£60,519
5£60,519
6£67,465
7£67,465
8£67,465
9£74,675
10£74,675
11£74,675
12£82,400
13£82,400
14£82,400
15£82,400
16£82,400
17£82,400

スペシャリティドクターの給与は、経験年数に基づいて変動します。この枠から留学をする人は、日本の医療制度で同様の経験を積んだことが証明できない限りは、給与水準の一番下からスタートし、徐々に昇給していくことになります。

例えば、ST3+レベルに相当する経験を1年積めば基本給は£52,530、18年積めば£82,400になります。これは、週40時間の労働を想定しています。それを超える分は、基本給の10%増で計算され支給されます。

スペシャリティドクターは、一時的に医学トレーニングから離れたい英国出身の医師や、予測可能な勤務時間やオンコールの少ない職務を求める医師が多いです。IMGの中には、イギリスでの最初の経験を積むためや、ロイヤルカレッジの資格を取得するために、このポジションを利用する人もいます。

スペシャリストドクター

次に、スペシャリストドクターの給与です。専門医資格を持ち、数年の経験を有する医師を指します。日本の対応職位は、指導医や准教授に近いイメージです。

勤務年数基本給
0£83,945
1£83,945
2£83,945
3£89,610
4£89,610
5£89,610
6£95,275

先述のスペシャリティドクター同様に、スペシャリストドクターも勤務年数により給与が変わります。基本給は、£83,945からスタートし、最終的には£95,275まで上がります。

10人以上のPAがいる場合などは、基本給が10%の割り増しになります。また、オンコール手当もあり、割増率はコールの内容や頻度によって異なりますが、一般的には3~8%の給与増しになります。

スペシャリストドクターとして働くためには、NHSの専門医と同等の経験があるという証拠を提出し、基準を満たす必要があります。

コンサルタント

最後に、コンサルタントの給与です。コンサルタントは、病院医師の中で最も高い役職です。全ての医療トレーニングを完了し、CCTを取得した後、専門分野で上級医師として働きます。日本の対応職位は、教授、主任医師(診療科の責任者)などです。

勤務年数基本給
0£99,532
1£99,532
2£99,532
3£105,390
4£108,390
5£108,390
6£108,390
7£108,390
8£118,884
9£118,844
10£118,844
11£118,844
12£118,844
13£118,844
14£131,964
15£131,964
16£131,964
17£131,964
18£131,964
19£131,964

コンサルタントは、勤務年数によって大きな給与差が生じます。基本給は、£99,532からスタートし、最終的には£131,964まで上がります。

一般的に、IMGのコンサルタントは給与水準の最下位からスタートし、何年も経験を積みながら昇進していきます。コンサルタントとして働けば、少なくとも日本円で年収2,500万円程度になりますので、給与面では報われると言えるでしょう。

こちらも、最下位からのスタートを望まない場合は、給与水準の適切なポイントに入る前に、日本で同等の経験があるという証拠を提出する必要があります。

まとめ

以上、イギリスの医師の役職ごとの年収の紹介でした。いかがでしたでしょうか?

研修医1年目の£32,398から、コンサルタント19年目は£131,964と、およそ4倍以上の年収の開きがあることが分かりました。

個人的には、イギリスの物価を考慮すると、決して高い年収とは言えないように思いました。人によっては、日本で医師として働くのと、さほど給与は変わらないのではないでしょうか。

この記事は、NHSのサイトを参照にしています。一次情報が気になる人は、以下のリンクからご確認ください。

参照:https://www.nhsemployers.org/articles/pay-and-conditions-circulars-medical-and-dental-staff

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