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MRCP Part 2の概要と対策方法を紹介
日本人医師がイギリスでの臨床を目指す場合、PLABかMRCPに受験をして合格をする必要があります。
PLAB とは “Professional Linguistic and Assessments Board”(専門言語評価委員会)の略です。できるだけ早く英国でのキャリアをスタートさせたいIMGのために作られた試験です。PLABに受かると、ジュニアドクターとしてキャリアをスタートが可能です。
MRCPとは “Membership of the Royal College of Physicians” の略です。MRCPは、日本で言うところの内科専門医試験にあたり、キャリアをシニアドクターとして始めることが可能です。
MRCPは以下のステップで試験が進みます。
- MRCP Part 1(筆記試験)
- MRCP Part 2(筆記試験)
- MRCP PACES(実技試験)
今回はそんなMRCP Part2(筆記試験)の対策方法についてまとめていきます。
MRCP Part1について気になる方は、以下の記事を参考にしてください:
目次
MRCP Part2の概要
以下にザッと概要をまとめておきます:
名称: | MRCP Part 2(Multiple Choices Questions) |
試験形式: | 選択問題(5択) |
問題数: | 200問(100問x2) |
試験時間: | 180分 |
合格率: | 66% |
最低必要正答数: | 128問の正解 |
受験費用: | £616 |
試験申し込み: | *1 MyMRCP(UK)の作成 |
参照元: | MRCPUK 1 MRCPUK 2 MRCPUK 3 |
MRCP Part2は、コンピューターベースの試験です。100問x2セットの合計200問に回答します。各設問5択から正答を選んでいく多肢選択形式で、試験時間は3時間です。
MRCP Part 2の受験資格は、MRCP Part1に合格をしていることです。また、医学部を卒後、36ヶ月程度の経験があることが推奨されています。
Part1の合格率が50%に対して、Part2の合格率は66%です。前提として、受験者はPart1に合格をしている人たちですので、安易に合格率が高いとはいえなさそうです。
試験の出題範囲
MRCP Part2の出題範囲を確認してみましょう。
左が専門の科、右の数値は全200問のうち出題されるおおよその設問数です。
科 | 設問数 |
心臓病学 | 19 |
内分泌代謝内科学 | 19 |
消化器病学 | 19 |
感染症および総合診療医学 | 19 |
腎臓学 | 19 |
呼吸器内科学 | 19 |
神経学 | 17 |
治療学および毒物学 | 18 |
皮膚科学 | 9 |
老年医学 | 9 |
血液学 | 9 |
腫瘍学およびペインクリニック学 | 9 |
リウマチ学 | 9 |
眼科学 | 3 |
精神科学 | 3 |
合計 | 200 |
実際の問題数は、この数値から±2問程度の範囲で変動する可能性があります。問題は、患者の診断、検査、治療、予後を中心としたものです。また、一部の問いには、思春期医学に関するものも含まれます。
通常は、臨床的な事例が提示され、検査結果や臨床写真、病理スライド、遺伝子系統樹、心電図、X線、CT/MRIスキャン、心エコー図などが含まれます。
本試験では、基礎知識と理解力に加えて、情報の解釈力と臨床問題の解決力が問われます。
参照:MRCP(UK)Part2 – a guide for overseas medicine doctors
MRCP Part1との違い
MRCP Part 2は、Part 1で評価された知識を基に出題されます。医学的な出題範囲は同じです。
しかし、2つの試験には重要な違いがあります。それは、Part 1が純粋にテキストベースの多肢選択問題で構成されているのに対し、MRCP Part 2では臨床シナリオを表示するために画像が使用されることです。
画像には通常、X線写真、病理スライド、CTスキャン、MRIスキャンが含まれます。つまり、関連する医療知識に加えて、与えられた情報と画像を同時に解釈して問題に回答し、質問に答える能力が必要になります。
MRCP Part2の対策方法
MRCP Part2の主な対策方法は大きく分けて以下の3つです:
- 公式のサンプル問題
- オンライン対策
- 本で対策
YouTubeなどにも、対策を挙げられてる方などもいますが、情報が正確でないことが多いです。公式のテキストがないため、できる限り本番に近いサービスを活用することが重要です。
それぞれの対策方法の特徴を説明します。
1. 公式サンプル問題
MRCP Part2は公式参考書はありませんが、サンプルの問題はウェブサイトからアクセスが可能です。
何よりも、まずは公式のサンプル問題に回答するのが良いでしょう。まずは、問題形式を理解し、回答の感覚を掴んでください。
サンプル問題に回答するためには、Eメールアドレスでの登録が必要です。上記のリンクから確認をしてみてください。
2. オンライン対策
公式の参考書がないため、ほとんどの人は市販のオンライン講座を通じて対策を行います。
以下が主要なオンライン対策講座です:
これらは、問題が大量に用意をされているだけではなく、動画のレクチャーにもアクセスが可能です。
オンラインでの対策は、どうしても受身的になってしまいます。目的意識を持ち、何度も回答することをオススメします。
間違った問題などは、徹底的に復習をしてください。選択肢が正答の理由だけでなく、不正解の選択肢となる理由まで言語化できるよう復習をすることが重要です。
3. 本で対策
中には、テキストブックで学習をしたい人もいるかもしれません。
以下が一般的なMRCP Part1で活用される参考書です:
- Medicine for MRCP (Oxford Speciality Training;Revision Texts) 1st Edition
- Essential Revision Notes For Mrcp,4/Ed Paperback – January 1, 2019
- MRCP Part 2 Examination: A Candidate’s Revision Notes
これらの参考書の問題点は、情報が古いことです。「1」は2020年、「2」は2019年、「3」は2011年の刊行になっています。対策の基本はオンライン対策講座とし、本での対策は学習補助とするのが良いでしょう。
まとめ
MRCP Part2は、医学知識を問う選択問題(5択)です。あくまでPart1の延長線上のテストであるが、テストの情報のみならず、画像が多く使用される点が特徴です。
IMGにとっては、医学的知識はもちろん、英語の読解力が鍵を握ります。上記で紹介したようなサイトを中心に、医学英語の知識をつけながら、根本的な英語力を伸ばすことにも注力をしてください。
英語の読解に不安がある方などは、まずはIELTSやOETなどの英語資格試験を活用すると良いでしょう。元も子もないですが、英語力は高ければ高いほど回答しやすくなります。
最後まで読んでいただきありがとうございました。何かご質問などあればお気軽にご連絡ください。
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